春をはこぶ音楽♪
「本当にいったいどこへ消えてしまうのか . . 」気づかぬうちに、あっという間に過ぎ去ってしまう、私にとってはそれが2月という月です。
さらに『立春』という言葉を聞いて、「もう始めなきゃ、始めなきゃ、でも何を??」と急に焦り出すのが、まさに2月 . . でもこれはきっと私だけではないはず!(ですよね?)
冬の間、体内にくすぶっていた鬱々とした気分が、イッキにはじけ、代わりに新鮮な春の空気を取り込みたくなる、そんなこの時季。
その衝動を充たしてくれる音楽といえば、ドイツ出身の作曲家メンデルスゾーン作曲の「春の歌」(無言歌集第5巻OP.62)がピッタリ!
聴く人の心に、色や形や何らかのイメージを与えてくれる、本当に、『クラシック音楽界の優等生』的な楽曲で、きっとみなさんも、どこかで一度は耳にしたことがあるでしょう。
ところが、この耽美的な、春色全開の微笑ましい作品も、一度手を染めたら(!)、甘美な淡い春のイメージから打って変わって、灰色の冬の迷宮へ逆戻り . . というのも、その難しさたるや半端ではないのです。
穏やかでフレンドリーな顔を持ちながら、その実、ひとたび指を鍵盤に乗せたら、無理難題が待ってました!とばかりにお出迎え、自由に気分良く奏でさせてくれると思ったら大間違い!
出だしのメロディラインの跳躍といい、「ベース・内声のアルペジオ・メロディライン」の3点セットのバランスといい、まさに「指先への集中力」、「運動能力」、「うたごころ」全ての課題を兼ね備えている、テストのような曲。
けれども、それだけ内容の濃い作品だからこそ、色々学ぶべき点も多いのです。
「叩けよ、さらば開かれん」(Knock, and it shall be opened unto you)と言いますよね。
「叩けよ、さらば春来」(Touch the keys, and they shall bring Spring)ですよ!
春までにはまだ少し時間がありますね。
さあ、今からこつこつと始めてみましょう。そうしたら4月にはきっと、みなさんの優しいピアノの音色に誘われて、きっと春の妖精たちも、素敵なダンスを踊りながらやってくるはずです!!
*こちらは、ホロビッツ大先生のメンデルスゾーンです。
https://www.youtube.com/watch?v=PL5t6P3W6nc