【クリスマス・プディングーその2ー】
「その1」があるからには「その2」があるんだろう、と期待してくださったみなさん、ありがとうございます。 クリスマス・プディングの話題など、10年に1度ぐらい! せっかくなので、もう少し詳しく見てみましょう。
ドライフルーツをたっぷりと使った、クリスマス・プディングですが、他の材料もちょっとユニークなんですよ。
先ず、ケンネ脂 . . . と、のっけから「何それ?見たことも聞いたこともないわ」と、思いませんか? ミートショップにお勤めの方ならいざ知らず、聞きなれないこの代物は、牛脂の専門用語だそうです。 何となくケーキに牛の脂 . . . 顔をしかめたくなりますよね?
さすが牛の国、イギリス!!
そこへドライフルーツ、ナツメグ、砂糖などを加え、漬け込むのですが、これはフランスやドイツのケーキとは明らかに趣向が違うことが見えてきますね。 ただ実際には、ケンネ脂の代わりに、本場イギリスでも近年は、バターを使うことが多いようですが . . .
また、レシピは本当に多種多様ですが、イギリスBBCの 'Good Food' というサイトには、その工程の中に、
「家族にかき混ぜ作業を頼み、そして各自願い事を言う」(Ask the family to stir too, and get everyone to make a wish.)との文言があります。
これとっても重要!!
先日、「ハリーポッターさながらのフランベの炎 . . . 」と形容したように、やっぱりどこまでも謎めいている、イギリスって . . .
かき混ぜる正しい方向と、かき混ぜ終わるまでおまじないのように、何度も繰り返すなど、伝統の儀式を忘れてはなりません!
そして、クリスマスの少なくとも1か月前に、8時間も蒸して作られたプディングを、クリスマス当日も、さらに1時間蒸して温めなおす、など、ごちそうにありつけるには、其れ相応の忍耐が必要なのです。 プディングに添えるブランデーバターも、もちろん手作りが最高ですが、各デパートやスーパーマーケットでは自社の商品を、可愛らしいパッケージに詰めて売っていて、あれこれ選ぶのも楽しみのひとつですね。
(写真はロンドンのスーパーマーケットMorrisonsのもの)
The Good Housekeeping Institute Teamによる、コンペティションもなかなか興味深いですよ。
さあ、みなさんのお家では今宵、どんなクリスマスイヴをお過ごしでしょうか?